相続などにより不動産を取得した場合に確認しておきたいのが、根抵当権が設定されているかどうかです。
もしも根抵当権が設定されている場合は、不動産売却時に一般的な手順とは異なる方法を用いなければなりません。
今回は根抵当権とは何か解説し、そのまま相続する方法や、根抵当権を抹消する方法についてもお伝えします。
根抵当権のある不動産相続を急ぐべき理由とは
そもそも根抵当権とは、継続的な取引の中で発生する債権を担保するために「極度額」と呼ばれる上限を設定し、その範囲内で融資を受けられる権利のことです。
極度額は、根抵当権が設定された不動産を担保とする融資の上限額であり、借主は限度額に達するまで何度でも借入と返済を繰り返せます。
根抵当権と抵当権の違いは、対象となる債権が特定されていない点や、権利を譲渡する際に債権者の同意が必要な点です。
根抵当権が設定された不動産は、相続開始から6か月以内に新たな指定債務者の登記を済ませないと元本が確定するため、迅速な手続きが求められます。
元本が確定すると、根抵当権は抵当権と同じ扱いとなり、繰り返しの融資を受けられなくなることが、不動産相続を急ぐべき理由です。
▼この記事も読まれています
土地の相続税が払えないときの延納条件とは?メリットや手続き方法を解説
事業継続に向けて根抵当権付きの不動産をそのまま相続する方法
事業継続を目的として、根抵当権付きの不動産をそのまま相続する方法は、不動産の所有者と債務者が同一人物かどうかで異なります。
所有者と債務者が異なる場合、債務者の相続人は「指定債務者登記」をおこなわなければなりません。
債権者に連絡を取り、遺産分割協議によって相続人を決定するまでの流れは、通常の不動産相続と同様です。
しかし、相続人の確定までに時間を要する場合は、一時的に相続人全員で不動産を共有すると良いでしょう。
その後は「所有権移転登記」「根抵当権の債務者変更登記」「指定債務者の合意」と合計3つの登記を、相続開始から6か月以内に完了させる必要があります。
▼この記事も読まれています
不動産相続で寄与分が認められる要件とは?特別寄与分について解説
相続した不動産の根抵当権を抹消する方法
根抵当権を維持する必要がなく、抹消を希望する場合は、相続放棄もしくは不動産相続後に所定の手続きをすることにより根抵当権の抹消が可能です。
抹消の手続き方法は、債務が残っているかどうかで異なります。
債務が残っている場合、不動産を売却して得た資金で債務を清算して根抵当権を抹消しますが、売却額が不足するケースも想定しなければなりません。
この場合は相続放棄も選択肢に加えると良いでしょう。
一方、債務が残っていない場合は、債権者である銀行と話し合い、合意に至れば根抵当権を抹消できます。
▼この記事も読まれています
相続における相続欠格とは?相続欠格になるとどうなるのかご紹介
まとめ
不動産の根抵当権とは、債務の担保に向けて、極度額と呼ばれる範囲内で融資を受けられる権利です。
事業継続のために根抵当権をそのまま相続する場合は、6か月以内に合計3つの登記が必要になります。
根抵当権が不要な場合は抹消できますが、債務の有無により手続きが異なるため注意しましょう。
広島県の不動産売却・不動産査定(無料査定)のことならオールハウス株式会社がサポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。