住宅ローンが支払えず、やむを得ず債権者の同意のうえ不動産を売却する方法を「任意売却」といいます。
任意売却には6種類の方法がありますが、もっともオーソドックスな売却方法が「単純売却」です。
ここでは、単純売却とは何か、その概要やメリット・注意点についてご紹介します。
単純売却の概要とは
単純売却とは、任意売却の一種です。
一般の不動産売却と似ていますが、ローンの返済額が売却額を上回っていても不動産を売却できる制度です。
住宅ローンの支払いで債務超過になるなど、不動産の所持が原因で生活に困難が生じた場合の救済処置と考えられます。
任意売却のなかでも比較的売却価格が高値になることが期待できる方法であるため、少しでも高く売却するには単純売却が良いでしょう。
主な売却相手はマイホームを検討中の一般消費者なので、高く売れる可能性があります。
単純売却のメリットとは
単純売却のメリットは、競売と比べて売却額が高額になりやすいことです。
競売で売却するよりも約1.5倍の高い値段で売却できることとも珍しくはありません。
高く売れれば売れるほど、売上分を借り入れ残高の返済に充てられるため、売却後に残る負債が減ることになります。
よって、債権者の同意を得やすいという点もメリットの一つでしょう。
一方で単純売却のデメリットとしては、売却まで時間がかかる点、室内状態が良くないと売れにくい点、売り手がそのまま住み続けることができないといった点が挙げられます。
また売却する際には、引っ越しなどの出費についても考慮する必要があるでしょう。
単純売却を利用する際の注意点とは
売却額が高くなりやすい単純売却ですが、いくつかの注意点もあります。
まず、売却まで時間がかかる点です。
不動産を購入する方の多くがマイホームを検討中の一般人であり、立地条件や室内の状態を見定めてから購入する物件を決めています。
どうしても時間がかかってしまうので、ある程度長めの売却期間を想定しておく必要があるでしょう。
次に室内状態が良くないと売れにくい点が挙げられます。
一般消費者の理想として、そのままでも住める状態であることが望ましいため、状態の良い不動産であることが大切です。
内見の際に良い印象をもってもらうために、綺麗な状態に室内を整えておきましょう。
また、どのタイミングで買主が見つかるか想定しにくいため、引っ越しの計画が立てづらいです。
売却が決まったら、すぐ動けるような準備が必要となってくるでしょう。
まとめ
単純売却の概要として、借り入れ残高よりも売却価格が少なくても不動産を売却でき、高値がつきやすいというメリットがあります。
ただし、売却まで時間がかかる、条件が悪いと売れにくい、引っ越しの計画が立てにくい点には注意が必要です。
メリットと注意点を理解し、ご自身に合った売却方法かどうかをよく考えましょう。
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